MOB museum of alternative-art
 

展示スケジュール 2007 Exhibition Schedule

夏の展示 Summer Exhibition 2007. 6. 23---9. 24

 




「大地の歌を描く人々---ベルギー、クレアムの画家たち」・展

2007年6月23日(土)---9月24日(日)

10:00〜17:00(入館は16:30まで)

月・火曜日休館(祝日の7月16日、9月17・24日は開館)
 

出展作家プロフィール


●パトリック・アノック(Patrick Hanocq) 1961年生まれ
1981年からクレアムの活動に参加。ハノックの絵は現代都市を空中から俯瞰する地図のようだといわれ、ディテールがあざやかな色遣いで描かれる。作品が完成したという確信を得るまで、何層にも色を重ね変化させていく。特徴は繰り返しとシステマティックな秩序にある。いつも誰かといっしょに作品をつくる。その日アトリエに到着した時点で、彼のパートナー(いずれかのオーガナイザー)が確定。任命されたパートナーはどの色をどう使うか迷うのだが、たいていパートナーシップは完璧なものになる。

●アニー・セルヴェ(Anny Servais) 1952年生まれ
43歳ではじめて参加した時から、クレアムは彼女にとって自分の家のようにリラックスできる場所だったらしい。それまでは編み物に発揮されていた才能とエネルギーがクレアムでは創作に注がれ、あっという間にオリジナリティを確立してまわりを驚かせた。当初は小さくなったクレヨンや残った絵の具など、他のメンバーの残りの画材を好んで使っていた。つい最近、以前の作風の可能性はすべて使い尽くしたというかのように、彼女はがらりと絵を変えた。気が遠くなるほどに何回も特定の写真を繰り返し複写し、できたコピーをしわくちゃにし、惜しげもなくハサミで切り刻み、重ね合わせて一つの作品をつくり上げる。

●パスカル・タシニ(Pascal Tassini) 1955年生まれ
1996年からクレアムのワークショップに参加。粘土とペインティングを数年手がけたあと、現在は布使用のスペシャリストとなっている。パスカル・タシニは俳優でもある。これら異なる分野での切り替えは、「ドクター・タシニ」の「手術」によって可能になるという。自身でこの「手術」をする過程で、タシニはテキスタイルの魅力を発見したらしい。次第に彼は、人目を避けて布を巻き、結び目をつくり、これらの小片を組み合わせて、さまざまな触感をもつテキスタイルを繊細な一つの作品として完成させるようになった。

●アラン・メール(Alain Meert) 1973年生まれ
1996年に参加した当時、クレアムのスタッフはいきなり彼の強烈な個性と「ベルギー主義」を見せつけられることになった。パレットでは黒、黄、赤(ベルギーの国旗の色)が最重要色となっていた。その後さまざまなテーマにさまざまなアプローチでのぞむようになり、生来のユーモアをもって、ベルギー人の典型的なイメージとはおよそかけ離れた、彼だけの「ベルギー人」を描くことに成功している。独自の発想に満ちており、いろいろな画法(口を使って描くなど)を試すことにも貪欲である。2005年に滞在した日本での体験は、非常に印象深いものだったようで、いまも引き続きインスピレーションを得ているようだ。

●リュック・エイエン(Luc Eyen) 1971年生まれ
彫刻、文字デザインなど、ビジュアルアート・ワークショップで活発な活動を繰り広げ、パフォーミングアートの方でもコメディアン、ダンサー、俳優として活躍する。スポーツが大好き。犬のレイラをこよなく愛し、レイラは彼の創作意欲の源ともなっている。1997年から2003年にかけて、Mad美術館での展覧会に課題作品を出展。1998年から3年間、グラスゴーのプロジェクト・アビリティ(アートを通じて障害のある人々を支援するプロジェクト)が主催する「ユニバーサル・プリント・ショー」に作品が選ばれた。

●エスティル・アルベルティニ(Estil Arbertini) 1966年生まれ
1983年からクレアムに参加し始めた。ある日突然、絵の具を使って描くのをやめてマーカーでデッサンするようになった。創作に入る前にさまざまな色のペンと紙をそろえる儀式は、アルベルティニにとってたいへん重要だ。それが終了するとようやく自分の世界で一人になり、秘密の宝物の世界を描くことに集中する。興味を持つのは棚、箱、バッグなど、入れ物の中身。色は明るい色が好きだと言う。オレンジ、ピンク、赤、黄色。そしてシンプルだが確実な線。直線は使わない。波打つような曲線で描く。

●ニコル・ダイワイル(Nicole Daiwaille) 1957年生まれ
1981年にデイセンターでペインティングとドローイングからスタートし、まもなく演劇にも携わるようになった。アクリルペンを使用することが多いが、グアッシュ、アクリル絵具のほか、黒いペンも使用する。構成、色遣いなどすべてを厳密に管理し、一筆、一筆、計画をもって描いていく。作品はどれもストーリーをもっていて、サーカス、大道芸、ビーチ、スポーツの場面で人々が躍動する。そして彼らは必ず楽しげに描かれる。登場する人物は皆、目のまわりが黒く縁取られているという特徴がある。

●ミシェル・プティニョー(Michel Petiniot) 1976年生まれ
1983年からクレアムに参加。オールラウンドプレイヤーで、音楽グループのメンバーでもある。穏やかで落ち着いた性格。彼は自分のまじめな性格に合う画法を心得ているかのように、黒いペンで小さな絵を描く。ペンの太さは3種類。忍耐強く緻密に描き続ける彼の姿は、「描くことをみずからに課す修行僧」といってもよいくらいである。画面は、太さの違うペンの無数の線で埋め尽くされる。すでに線のあるところにも重ね続けることに躊躇はない。ただひたすらに自分の「行」を続けるかのようだ。

●サミュエル・カリオ(Samuel Cariaux) 1976年生まれ
ミュージシャン、DJ、俳優、画家などの顔をあわせ持つ。絵については、ワークショップでも家でも描きまくり、何冊もにわたる膨大なスケッチとなっている。たいへん活発に、常に何かを発見し生み出している人で、その時、その場で彼の中に生まれたものを即興音楽のようにスケッチする。また筆が速いだけでなく、技術も高度である。好きなテーマは女性、もしくは女性らしいもので、女性用下着のパッケージについている写真からアーティストの描く連作まで、発想の源は幅広い。そうして集めた女性たちをさまざまにデフォルメする。

●ヴェンサン・ベケア(Vincent Becker) 1974年生まれ
1996年よりクレアムのワークショップに参加。すぐに舞台(演劇、音楽)で才能を発揮、いくつかの作品に出演した。その中の一つ、「花男」という作品に登場する、いたずら好きで手足の先が花になっている人物をスケッチしたのが、アート作品の始まりとなった。モザイクにもすばらしい作品があり、クレアムのビルの壁のモザイクも彼の作品である。これらさまざまな経験は、いま彼の中で新たな変化を起こしつつある。大胆な構図の中にこれまた彼独自のイラストレーションが、鮮やかな色遣いで描かれるようになってきたのである。


クレアムについて
クレアム(Creahm)は、CREAtivite et Handicap Mental(「創造的活動と知的障害」の意味)の略です。知的障害を持つ人々も、音楽を演奏したり、絵を描いたり、演劇をしたり、歌ったり、ダンスをしたり、自己表現できるという基本的な考え方のもと、創造活動の環境を整え、必要なサポートを提供するNPO(非営利団体)として、1979年、ベルギーのリエージュで設立されました。最初は絵画、演劇、ダンスなどのワークショップを開催していましたが、1992年には、いろいろな地域の障害者の創作作品を紹介するマッド美術館(Mad:Musee de l'Art differencie)を設立し(1998年に認可)、活動はさらに造形や劇場作品の制作へと多岐にわたり発展してきました。1996年のカンヌ映画祭では、『八日目』に出演したクレアムのパスカル・デュケンヌが最優秀主演男優賞を受賞するなど、目覚ましい活躍をする彼らの創作活動は、社会的通念を超えて芸術性と文化価値を獲得してきました。


 
  


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